消えたいと思ったときに、想像してほしいこと

雲の切れ間から青空がのぞき、光が差し込む風景。暗い空に一筋の光が広がる様子が希望を感じさせる。

消えたいと思ったときに、想像してほしいこと

人は誰でも、どうしようもない苦しみの中で「もう終わらせたい」「いなくなれば楽になるのでは」と考えてしまうことがあります。一生懸命に生きているにもかかわらずです。それは弱さではありません。出口が見えないほど追い詰められている証拠です。でも、その前に、一度だけ想像してほしいことがあります。

もし意識や心が残ったままだったら

もし体がなくなったあとも意識や心が残り、自分の存在がこの世にとどまったままだったら──。

あなたの家族が泣き崩れる姿、恋人が絶望に沈む姿、友人が後悔に苦しむ姿、愛するペットが待ち続ける姿。その光景を、声をかけることも触れることもできず、ただ見ているだけの自分を想像してください。「消えれば楽になる」と思っていたのに、むしろもっと深い苦しみと後悔に苛まれるかもしれません。

私自身の体験から

私は離婚をしたとき、家で一緒に暮らしていたビーグルが数日間、ストレスで血便をしました。

言葉を話せない小さな命が、私の気持ちや状況を敏感に察知し、体に影響を受けてしまったのです。その姿を見て、胸が締め付けられるように申し訳なく思いました。

もし本当にいなくなっていたら──。

残された人やペット達は計り知れない苦労を背負うことになります。その姿をうしろからただ見ているしかない自分を想像すると、苦しみはさらに大きくなるはずです。

援助は必ずある

「誰も助けてくれない」と思うかもしれません。けれど、援助を惜しまない人は必ずいます。

身近な人、制度や専門家、思いもよらない場所からの助け。あなたが今は気づけていないだけで、道は閉ざされていないのです。

話すことで道がひらける

「話したら馬鹿にされるのでは」「軽蔑されるのでは」と思って、誰にも言えずにいるかもしれません。けれど、真摯に耳を傾けてくれる人は案外多いのです。私は専門のカウンセラーではありません。それでも、話を聞くことはできますし、必要に応じて信頼できる専門家や支援先につなげることもできます。一人で抱え込む必要はありません。まずは、ほんの少しでも誰かに気持ちを打ち明けてみてください。それだけで心の重さがわずかに軽くなることもあります。

終わりに

「いなくなれば楽になる」という考えは、危うい幻想かもしれません。

意識や心が残った自分が、残された人の苦しみを見続ける。その想像を一度だけしてみてください。私自身の経験から言えば、追い詰められて「もう終わりだ」と思ったときでも、案外別の道ややり直す方法が見つかったことが何度かありました。人生には、見えていないだけで方向を変える扉のような選択肢が意外とあるものです。それに気づくきっかけが、あなたの一歩の先に待っているかもしれません。

ご相談について

当事務所では、法律手続きのご依頼だけでなく、生活の中で不安や悩みを抱えている方の声をお聞きすることもあります。必要に応じて、信頼できる専門家や支援窓口へつなぐことも可能です。電話やチャットからもご連絡いただけますので、安心してお話しください。